Column_8

持久力アップ!
カーボローディングを食事に取り入れフルマラソン完走

フードコーディネーター 、
アスリートフードマイスター/
二宮絵里子

フードコーディネーター / アスリートフードマイスター。家庭料理、特に季節の野菜料理を中心にご紹介していきます。「ちゃんと美味しい」食卓から、健やかなココロとカラダを目指します。自身が趣味でマラソンをすることから、アスリートフードも研究中。

マラソンやトライアスロンなど、長時間におよぶスポーツを楽しむためには持久力が大事。そのために、本番に向けて体の中にエネルギー源をしっかり貯めこむ食事法と運動法がカーボローディングです。基本的なカーボローディングのやり方とおすすめレシピをご紹介します。

イメージ

長時間パフォーマンスを支える食事法「カーボローディング」

カーボローディングとは、エネルギー源であるグリコーゲンを体内に多く貯蔵するための運動量の調節と栄養摂取の方法です。グリコーゲンローディングとも言います。

目的は、試合中にエネルギー不足を起こさないようにして持久性パフォーマンスを高めること。試合前に糖質の多い食事をし、食事と運動を組み合わせることによって、体内のグリコーゲンの量を通常より増加させます。どのような競技でも、筋肉と肝臓にグリコーゲンを多く蓄えているほうが長時間運動を続けることができます。カーボローディングは、マラソンやトライアスロンなど、2時間以上運動を継続する持久性の種目に適しています。

秋から冬にかけて、日本各地でマラソン大会が開催されます。11月には神戸マラソンもありますね。全国的に人気が高くなかなか抽選に当たりませんが、一度は出てみたい大会です(今年も応募したのですがダメでした、残念!)。そんなこれからのマラソンシーズンに参考にしたい、カーボローディングの実践方法をご紹介します。

カーボローディングの実践方法

イメージ

(本番6~4日前まで)
主食をはじめとした糖質を多く含む食品の摂取量を控え、その分脂肪を多く摂るようにします。低糖質食ではないので、糖質は減らし過ぎず(目安は50%程度)、例えば揚げ物のおかずにご飯を少々、という具合です。

(本番3~1日前まで)
高糖質・低脂肪食にします。できるだけ脂肪の少ない食品(牛、豚ならもも肉やヒレ肉、鶏は皮のない肉やささみ、タラ、鰹、貝、イカ、エビ等など)を選び、油やマヨネーズ、ドレッシングなどを使わない和食がおすすめです。

(試合直前)
試合の3時間前までには食事を終わらせるようにしましょう。

食べるのは、糖質の多いおにぎりやサンドイッチ、あんぱん、バナナ、オレンジジュースなど。個人的には、腹持ちの良いお餅がおすすめです。ただ、マラソンの場合は、朝9時前後にスタートすることが多いので、早朝に食べることになります。食べ慣れていない場合は胃もたれを起こすこともありますので、普段から食べ慣れているものを選びましょう。

スタート30分前に、すぐにエネルギーに変わるゼリー飲料を摂り、エネルギーを補給すると良いでしょう。

(運動強度について)
運動は本番6日前から前日まで徐々に時間を短くしていき、運動強度も中等度から低度へと減らしていきましょう。

レース中もバテない!持久力を支えるレシピ「チーズミルク雑炊」

イメージ

いざカーボローディングにトライしようと思っても、具体的にどんな料理を食べればいいのか、初心者だと迷いますよね。今回は、簡単で作りやすい、本番3~1日前の食事にぴったりな「チーズミルク雑炊」をご紹介します。

しっかり糖質を摂れるようご飯とじゃがいもを使い、そこに良質なたんぱく質を含みかつ低脂肪なたらを加えます。さらに「チーズで鉄分」をプラスし、タンパク質、カルシウム、そしてアスリートに不可欠な鉄分を摂ることができる一品に。キャベツやまいたけも使ことで、これらがカルシウムや鉄分の吸収を助けてくれます。

雑炊なら、だしに流れ出た栄養が余すことなく摂れますし、たっぷり食べても胃もたれしにくいです。朝からでも食べやすいので、本番の日の朝食としてもおすすめできます。

詳しいレシピはこちら

エネルギー不足に注意したい理由(まとめ)

本番中にエネルギー不足になると、失速やケガを引き起こしかねません。上で紹介したカーボローディングの進め方やおすすめレシピを参考に、持久性パフォーマンスをアップさせて本番に向けた体調管理を目指してくださいね。

ただ、試合前に食事の内容や運動量を見直すだけで、本番に強い体づくりができるわけではありません。大事なのは日頃からの心がけ。普通の健康的な食事では「食べ過ぎない」ことが重視されますが、アスリートの場合は、「不足しないこと」が重視されます。スポーツをもっと楽しむために自分の体に何が必要なのか、毎日の食事の中で意識していきましょう。